2020年10月、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。
「排出を全体としてゼロ」というのは、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの「排出量」 から、植林、森林管理などによる「吸収量」 を差し引いて、合計を実質的にゼロにすることを意味しています。
カーボンニュートラルの達成のためには、温室効果ガスの排出量の削減並びに吸収作用の保全及び強化をする必要があります。
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脱炭素経営の動向
カーボンニュートラルとは

脱炭素経営とは
気候変動対策(≒脱炭素)の視点を織り込んだ企業経営のことで、経営リスク低減や成長のチャンス、経営上の重要課題として全社を挙げて取り組むものです。
脱炭素化(※)の現状
出所:株式会社帝国データバンク「令和6年度中小企業・小規模事業者の実態把握に関する調査研究」
(※)ここでの「脱炭素化」とは、二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの排出量を削減、若しくは排出量をゼロにする取組を指す。
下図は企業規模別に脱炭素化の取組段階を示したものです。段階1「気候変動対応やCO2削減に係る取組の重要性について理解している」が「中規模企業」「小規模事業者」ともに6割超と最も多くなっており、脱炭素化の重要性の理解が進んできていると考えられます。
また、「中規模企業」「小規模事業者」ともに段階2以上のステップに進む事業者が一定割合存在するものの、「段階1」が6割超と最も高く、取組はまだまだ進んでいません。

(注)脱炭素化の取組段階は、2024年時点の状況を集計している。
- 段階0
- 気候変動対応やCO2削減に係る取組の重要性について理解していない
- 段階1
- 気候変動対応やCO2削減に係る取組の重要性について理解している
- 段階2
- 事業所全体での年間CO2排出量(Scope1、2)を把握している
- 段階3
- 事業所における主要な排出源や削減余地の大きい設備等を把握している
- 段階4
- 段階3で把握した設備等のCO2排出量の削減に向けて、削減対策を検討・実行している
- 段階5
- 段階1~4の取組を実施しており、かつ情報開示を行っている
下図はGX(※)の取組を進めるにあたっての問題点を脱炭素化の取組段階別にみたものです。どの取組段階の事業者においても「コストに見合ったメリットがない」や「脱炭素化・GXを推進する人材が足りない」といった回答割合が比較的多くなっており、人材面と費用面での課題が大きいと考えておられる様子が見受けられます。
また、取組段階が低い事業者においては、「どのように推進すればよいか分からない」といった回答も多く、理解は進んでいても次のステップに悩んでおられる様子が見受けられます。
(※)ここでの、GXとは、「グリーン・トランスフォーメーション」の略称であり、「化石エネルギー(石炭や石油など)中心から、CO2を排出しないクリーンエネルギー中心に、ビジネスモデルを転換すること」を指す。
GXの取組を進めるに当たっての問題点(脱炭素化の取組段階別)

(注)1.複数回答のため、合計は必ずしも100%にならない。
2.脱炭素化の取組段階は、2024年時点の状況を集計している。
- 段階0
- 気候変動対応やCO2削減に係る取組の重要性について理解していない
- 段階1
- 気候変動対応やCO2削減に係る取組の重要性について理解している
- 段階2
- 事業所全体での年間CO2排出量(Scope1、2)を把握している
- 段階3
- 事業所における主要な排出源や削減余地の大きい設備等を把握している
- 段階4
- 段階3で把握した設備等のCO2排出量の削減に向けて、削減対策を検討・実行している
- 段階5
- 段階1~4の取組を実施しており、かつ情報開示を行っている
脱炭素経営のメリット
(出所:環境省「 中小規模事業者向けの脱炭素経営導入ハンドブック~これから脱炭素化へ取り組む事業者の皆様へ~」
一方で、脱炭素経営を事業成長へのチャンスと捉え、カーボンニュートラルに向けて全社を挙げて取り組み、新たな強みを作ろうとする考え方も広がっています。
先行して脱炭素経営に取り組む中小規模事業者では、主に5つのメリットを獲得しています。
- ①優位性の構築
- 他社より早く取り組むことで「脱炭素経営が進んでいる企業」や「先進的な企業」という良いイメージを獲得できます。
- ②光熱費・燃料費の低減
- 年々高騰する原料費の対策にも。企業の業種によっては光熱費が半分近く削減できることもあります。
- ③知名度・認知度向上
- 環境に対する先進的な取組がメディアに取り上げられることも。お問い合わせが増えることで売上の増加も見込めます。
- ④社員のモチベーション・人材獲得力向上
- 自社の社会貢献は社員のモチベーションにつながります。また、サステナブルな企業へ従事したい社員数は年々増加しています。
- ⑤好条件での資金調達
- 企業の長期的な期待値を測る指標として、脱炭素への取組が重要指標化しています。
このように、脱炭素経営を行うことで、費用面や人材面の課題解決につながることもあります。まず、第一歩となるためにも「脱炭素経営宣言」を行って取組を進めていくのはいかがでしょうか。
脱炭素経営に向けた3つのステップ
(出所:環境省「 中小規模事業者向けの脱炭素経営導入ハンドブック~これから脱炭素化へ取り組む事業者の皆様へ~」)
脱炭素経営を進めていくにあたって、以下の3つのステップで進めていくことが有効とされています。特に気候変動対応やCO2削減に係る取組の重要性について理解していても、どのように推進すればよいか分からないという事業者の方は、ご参考にしていただけたらと思います。
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STEP 01知る
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・情報収集
・方針の検討
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STEP 02測る
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・CO2排出量の算定
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STEP 03減らす
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・削減目標の設定
・計画の策定
・対策の実行
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